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(三) 千代鶴是秀師に会う



 鉋造りが軌道に乗りはじめた昭和25年頃、千代鶴是秀の作品に出会い、ぜひ一度会って話を聞きたいと思い、岩崎航介に相談しました。すると岩崎から彫刻家の朝倉文夫に天田を是秀に紹介してくれるようにお願いしてくれて、鉋を持って中目黒のお宅に訪れました。このとき、是秀は75歳、天田は23歳でした。

 「鉋のことについて教えていただきたい」と天田が言うと、是秀は小さな箱を持ってきて、天田に開けさせました。中には3寸幅の仕上鉋で削った10数mの鉋屑が入っていて、「これは、官内庁で仕事をしている大工さんが片手で引いたものです」と説明を受けました。この言葉によって、天田はあらかじめ聞こうと思っていたことなど、すっかり頭から失せてしまった強烈な衝撃を受けました。

 是秀からは、鉋造りの技術的なことは、なにも聞くことはありませんでしたが、「使う人の身になって作りなさい」と論していることを天田は悟りました。



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