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T O P 会社概要 商品紹介  焼 印合カギ D  I  Y 千代鶴系譜 道具の歴史リ ン ク



結びに


 鉋、鑿、鋸などの名高い大工道具鍛冶職が衰退してから、すでに長い歳月が過ぎました。終戦後一面の焼け野原から復興の建設ラッシュによって大工道具鍛冶職は隆盛を見ましたが、電動工具の登場で大きな影響を受け、さらに建築工法の変化や木造住宅のプレカット化そして替え刃式鋸・鉋の普及などで決定的な影響に見舞われて現在に至っています。大工道具専門店や鋸目立て店では経営が立ち行かなくなりました。しかしまだ一部の大工道具鍛冶職の人達が、それでも火を消さずに頑張っていますし、近年のインターネット上では特に鉋に対する一般の関心は高く、あらゆる観点から鉋についてホームページが開かれていて大工道具の王様にふさわしく、うれしい限りです。 

 今回の「千代鶴の系譜」を書くことになった契機は、友人たちとの話の中で「千代鶴のことをよく知らないので、それについて書いてくれないか」と頼まれたからです。わたしは大学卒業後、父の店を継ぎ、店の経営を勉強するかたわら、商品である鉋や鑿、墨壷などの大工道具に興味をもち、鉋台入れの名人といわれ、鉋や鑿にたいへん造詣が深く、かつ千代鶴是秀とも交流のあった父の話を聞いていろいろ調べて行くうちに、鉋や鑿を鍛つ古今の鍛冶職に関心を持ち、業界の大先輩などに話を聞いたり、自ら文献などを調べてり、また作品の収集をしたりして来ました。またわたしが幼少の頃、家に訪れた千代鶴是秀氏や奥様の信氏に何回かお会いしていたり、十代目石堂輝秀氏が亡くなる1、2年前に石堂宅を業界の若手グループで訪れて輝秀氏に話を伺ったり、その時に十一代目石堂秀雄氏に鉋の鍛造を間近で見学させて頂いたりもしましたので、明治・大正・昭和・平成の時代に亡くなられた大工道具鍛冶の人たちを広く鎮魂したいという気持ちと、また店を継いだ長男の智雄にもこれからのことを知っておいて欲しい思い、特に鉋鍛冶を中心に書き上げました。

 勿論、これらの記述は完璧なものではありません。修正しなければならない箇所も多いのではないかと思います。ともあれ千代鶴是秀を中心としていくつもの鍛冶職の系譜が理解できるものと思います。長男の智雄が「千代鶴是秀の家系図」を作成してくれたことは、この原稿を書くに際して大変役立ちました。尚、この原稿は平成18年6月に書いたものに修正や新たに追加をして書き直したものです。



 平成18年8月吉日

 有限会社 スズキ金物店
 代表取締役  鈴木 俊昭


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