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(一) 古代の壁塗職の呼称



 日本における本格的な壁塗工事は、崇峻元年(588年)朝鮮半島の百済国から仏寺建築に渡来した工人が法興時(現在の奈良飛鳥寺)の建築工事をしたことから始まります。593年には大阪難波の四天王寺建築で初めて漆喰工事が行われました。

 これ以前の古墳時代には、土壁は用いられていなく、壁の材料は素木(しらき)の板や竹あるいは木の皮などで編んだ網代や茅のような植物性のものばかりでした。

 この後、大陸風建築様式は仏寺以外に宮殿や高級貴族の邸宅に普及していきました。しかし、白堊壁の漆喰は、多量の燃料を必要とする石灰と糊料として米が使われるために、大変高価な壁材で、権力者などのごく一部の限られた建築にしか使われませんでした。

 このような状況下で、奈良時代には壁塗専門職は「土工」(つちのたくみ)と呼ばれ、律令制の下の土工司(後に木工寮)に統括されていました。ただし、下地作成や下塗のような特に専門的技能を要しない作業は「役夫」によるのが原則で、また壁画仕上げにするときの白堊(漆喰)上塗は画師によって行われ、壁塗工事の全工程が「土工」によってすべて行われていたのではありません。



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