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(一) 江戸幕末期以前の鏝柄の形状について



 歴史的に見てみますと、中国西域出土の木鏝(台から取手まで一木で作ってある)が角柄で、奈良時代に百済から渡来した壁塗りの工人も、おそらくこの型の木鏝を持ち込んで使い、それとともに日本でも台から取手まで一木で角柄の木鏝が作られたものと思われます。角柄であったのは、一木から作り出す製作上の理由からであったと思われます。その後、この木鏝については史料としてなにも記述がなく、なぜか歴史から消えてしまいます。(※1参照)

 鉄製の鏝も、渡来した工人によって同時に持ち込まれたかと思いますが、史料が残されていないために、柄の形状がどのようであったのかは分かりません。日本で出土した奈良時代の鉄製の元首鏝と思われる鏝も、柄が朽ちて失っていて、どのような形状の柄が付けられていたのかは分かりません。

 これ以後も、平安時代の寛平4年(892年)新撰字鏡に「鏝」の文字が現れますが、史料が発見されていないために分かりません。

 室町時代になると、「七十一番職人歌合」上壁塗りで、真ん丸の丸柄の元首鏝を持った左官が描かれている絵図が現れます。さらに、江戸時代の職人風俗絵図や左官職の鏝を紹介する文献では(※2参照)、元首鏝の柄はすべて真ん丸の丸柄に描かれていて、角柄は一つもありません。

※1・2   詳しくは「左官鏝の歴史について」を参照ください。  


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