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《切出小刀の歴史について》



切り出し1



はじめに



 昔から、木造建築や木工・木彫・竹細工などに使う小型刃物民具の種類として、「切出小刀」や「繰り小刀」があります。「切出小刀」」は、単に「切り出し」とも言います。「繰り小刀」は、「刳り小刀」とも記します。

 「切出小刀」の基本形は、刃のない部分を手で握って使う薄い鉄板状の片刃小刀の形態で、鋼を鍛接した斜め状の刃幅は広く、刃の先端は鋭く尖っています。柄や鞘を付けない鉄板状そのものや、手で握る鉄板部分に藤などを巻いたもの、木製の柄や鞘を付けたものなどがあります。

 この刃物は、あらゆる用途に利用される万能ナイフとも言うべきものです。単純な形態のため、作るのは容易です。刃物鍛冶を修業する弟子たちが、修業過程で最初に作る刃物です。刃物としては、頑丈なうえに切れ味は鋭い機能を持ちます。今日では、一般の人たちが鍛冶職の指導のもとで、「切出小刀」を作る催しが開かれています。

 「繰り小刀」は、刃の身幅が狭く、刃渡りが長い上に、刃の先端が「切出小刀」よりもさらに細く鋭利に尖っています。鑿や鉋で削れないようなところや、板材の木っ端の曲線部分、繰形などを精密に削るときに使います。


「切出小刀」は、とくに使用形態上の制約がないので、今日では大工道具鍛冶や刀鍛冶、包丁鍛冶などによって、大小様々な造形・装飾に工夫を凝らした「切出小刀」が作られています。実用品としての「切出小刀」ばかりでなく、美術品的な「切出小刀」としても作られ、小刀愛好家に日本刀のようにコレクションとして収集されています。有名な鍛冶職の作った「切出小刀」が、高額な価格で取引されてもいます。


 わたしは、この「切出小刀」という刃物民具に以前より興味を持ち、その歴史などについていろいろと調べてきました。まだ誰もこの「切出小刀」の歴史について詳しく論じていませんので、わたしが調べてきた結果を発表し、「切出小刀」愛好家の人たちや大工道具研究家の人たちによって、さらにこの「切出小刀」について調査が進められることを期待して、当店の「道具の歴史」欄に掲載しましょう。










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