「釿始め」の儀式とは、まず式材を曲尺で寸法を測り、墨壺で線を引き、釿では斫(はつ)る一連の所作を神前に奉納します。そのとき祀られた曲尺・墨壺・釿は、大工道具の「三種の神器」とも言われて大切に扱われて来ました。
また、番匠保存会が昭和56年に「釿始め」を復活させ、京都広隆寺で毎年1月2日に「釿始め」の儀式を行っています。京都広隆寺は、聖徳太子が建立した七大寺の一つとも、また聖徳太子の供養のため西暦622年に建立され、聖徳太子信仰を中心とする寺院とも言われて来た聖徳太子ゆかりの寺院です。
今回は、「釿始め」の儀式に祀られたこの曲尺の歴史とそれを作った鍛冶師たちについて語ってみましょう。
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