一般の人たちは、金槌のことをトンカチとかハンマーとか言い表すことがあっても、よほど大工道具に理解がない限り、ある種の金槌を「げんのう」と呼び、「源翁」とか「玄翁」、また「玄能」という漢字で表記されて来たことは知らないでしょう。「げんのう」とは、石工職や大工職の人たちが使う金槌に対する特殊な呼び名であったからです。
では、金槌のことを「源翁」や「玄翁」と漢字表記して「げんのう」と呼ぶ由来はどこから来たのでしょうか。
そして、このとき使った頭の両端に尖りのない形態の大鉄槌を、高僧の名に因んで、「源翁」とか「玄翁」と呼ぶようになったと言われています。しかし、この高僧が使ったのは大鉄槌ではなく、杖とか、また鉄槌の形をした杖を使ったとの言い伝えもあります。
この殺生石については、平安時代末期の「玉藻前(たまものまえ)伝説」に由来します。白面金毛九尾の狐が玉藻前という美女に化け、鳥羽上皇の寵愛を受けていましたが、病臥した鳥羽上皇がなかなか回復しないので、陰陽師に見てもらったところ、玉藻前は正体を見破られ那須野まで逃げてきましたが、追っ手によってその地で殺害され、殺生石に化して近づくものの命を奪うようになったと伝えられて来ました。
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